プロダクトデザイン事例|廃材を資源へ転換する——Dhammada Collective「Paper Tube Chair」
- Design English Guide
- Sep 26
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📘 Daily Design Word|Reusability(リユースアビリティ/再利用性)
英文释义:The quality of a material, product, or system that allows it to be used again for the same or a different purpose, thereby reducing waste and extending its lifecycle.
日语释义: 材料や製品、システムを同じ目的、または異なる目的で繰り返し使用できる性質。廃棄物を減らし、ライフサイクルを延ばす考え方。
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🌫 プロダクトデザイン事例|インド・Bhopal拠点 Dhammada Collective「Paper Tube Chair」
概要
インド・ボーパールを拠点とする Dhammada Collective が手がけた 「Paper Tube Chair」 は、印刷工場から廃棄される紙管を主要素材とし、ロープと簡易的な3Dプリント部品を組み合わせて製作された椅子です。




この椅子は、約15本の紙管を竹の節のように切り分け、フィギュアエイト結び(eight-lashing) でしっかりと編み込み構造をつくり上げています。接着剤を使わず、分解・再組立が可能で、修理や交換も容易です。脚部には3Dプリントのキャップとワッシャーを使用して耐久性を高め、全体には薄い保護塗装を施すことで素材の質感や印字の跡をそのまま見せています。
また、紙管の中空部分は収納スペースとしても利用でき、ペンやノート、眼鏡などを入れられる“機能性の余白” を備えています。さらにこのデザインはオープンソースとして公開されており、誰でも自作や改良に挑戦できる仕組みになっています。
Reusability の応用ポイント
廃材を資源に変える 不要とされる紙管を、構造材として再利用。
修理可能性を確保 接着剤を避け、結びや部品で組み立てることで、部品交換や修理がしやすい。
素材の痕跡を残す 印字や擦れなど、再利用素材ならではの歴史をデザインの一部として活かす。
機能の二重化 椅子の強度を支える紙管が、同時に小物の収納機能を果たす。
共有と普及 オープンソース化により、多くの人が再利用の思想を実践できる。
💡 デザイナーへの示唆
この事例は、Reusability を単なる環境対応ではなく、デザイン言語そのもの に昇華させる可能性を示しています。
大多数の人が見過ごす廃材にこそ、新しい造形や構造のヒントがある。「壊れたら捨てる」ではなく、「直してまた使える」仕組みを初期設計に組み込むこと。再利用の痕跡を“欠点”ではなく“魅力”として提示することで、ユーザーに新しい価値認識を促せる。
つまり Reusability は、省資源のためだけでなく、プロダクトデザインをより開かれた実験の場にする鍵概念 と言えます。



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